イタリア言の葉

2年半ぶりに再開しました。イタリア生活22年のフリー通訳・翻訳者が北東の町パドバより発信する「社会派」ブログ

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イタリア鉄道で通勤

かつて私は、パドバからヴェネツィアまで5年間列車通勤していました。当時も列車通勤はストレスがたまりましたが、今週久しぶりに、それも特急が運行されていない路線だったので、片道120kmを各駅停車で3日間通い、「列車通勤はしたくない。」とげっそりしました。

120kmを各駅停車ですから、朝6時台の列車に乗ったのですが、ほぼ満席。朝早くから働く人の多さにビックリしました。目的地まで直通すらない便の悪いところで、乗り換えた列車には高校生が満載。列車を使って通学する高校生がこんなにいるのだ、ということにもビックリ。もっとも彼らは1駅か2駅でおりましたので、通学距離は短いのですが。

そんなこんなで朝の列車は通路までぎっしり人が立つほど混んでいます。日本の大都市圏なら当たり前ですが、今回の通過地は、最大でも人口20万都市。ずいぶん人の往来が多い気がしました。

金曜日は週末とあって帰りの列車も通路までぎっしりで、乗客が乗り切れぬためになかなか発車できないほどでした。このときの列車は3両編成・・・・・なぜこの曜日・この時間帯に3両しか運行しないのかはナゾです。


(画像はトレンイタリアのサイトから借りました)

実はイタリアの鉄道通勤・通学客の不満や度重なる抗議活動については、良くニュースで読んでいたのです。このところ仕事へ赴くのに特急列車ばかり利用していたので気がつきませんでしたが、これが現状なら、私が通勤していた頃より状況はかなり悪くなっています。

イタリアの通勤事情が悪化したのは、巨額の赤字を抱えていたイタリア鉄道(FS)が、2年前から経済再建計画を実行しているのが直接の理由です。社長のモラッティ氏が「赤字路線切捨て。運営の主力を運賃の高いユーロスター(Eurostar)や最近開通した超特急赤い矢号(Freccia Rossa)に置く。」経営方針を打ち立てたからなのです。

モラッティ社長は「赤字分を国や地方が負担してくれないなら、利潤が上がらない路線は切り捨てる。」と公言しています。かつて7年間も凍結されていて、かなり割安感があった運賃は「近隣国のレベルに揃える。」と特急を中心に度重なる値上げを。

私が通勤していた頃は、ヴェネツィアからお隣の州のボローニャやミラノまで、特急運賃がかからず、特急とそう変わらない時間でいける準急列車(interregionale)がありました。これを使えばパドバ〜ヴェネツィア所要時間は30分でした。

今では準急列車は(利益が上がらないという理由で)大幅に減らされ、各駅停車か特急が大部分の運行になっています。通勤に利用できる列車は30分から49分と40kmの距離で所要時間も延びています。乗れる列車が少なくなったため本数も減ったことになります。

通勤客が大幅に増えたわけではなく、前より乗れる列車が減っているのです。2階建てで多くの乗客が乗れる新型車両もあるにはあるのですが、台数が少ないらしく今回の3日間では一回もこれにあたらず。一度だけ新型だったのは、金曜日の帰りの「3両編成」でした。

このとき初めて見たこの新型車両、実に非実用的なデザインの車両。乗り込んだところに、自転車や車椅子で乗り込む時には上げられる、2人がけのシートが横に2つ並び、それと直角にもうひとつシートがあります。ただし直角シートは真横シートとの距離を計算していないので、真横のシートに座った人の足が邪魔になって、シートに正座しない限り2人掛けが不可能!

車両中央部はバリアフリーを考えてスロープで上るようになっており、そこにカーブしたソファー様シートが向かい合って設けられ、掛け心地悪そうなうえ、まっすぐだったら4人座れるところを3人が限度。平面ならもっと人が乗れるはずなのに、なぜここが高くなっているのかも疑問。

トイレは車椅子でも入れるよう広く取ってありますが、その分通路が狭くなって、車椅子はまず間違いなく方向転換できないと思います。古くて汚い車両で叩かれるかと思うと、せっかく注文生産させて購入した新型車両がこう非実用的では・・・・・・

毎日列車通勤しなくてすむことを、本当に幸せに思います。

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