イタリアの学校は9月が学年の始まりに当たりますが、その直前9月1日のイタリア共和国官報に、教育相発案の「教育改革」暫定法が発表されました。
教育改革の内容についてはそれ以前に新聞などが主な改革点を伝えており、既に大きな論議を呼んでいたところです。
8条からなる一見シンプルな改革が、その後教師の大反発を招きスト連発の騒ぎを引き起こしているのは一体何故なのか、とりあえず暫定法の文章を読んでみました。
新聞に出ていたスモック着用の義務化というのは、どこにも書いてないようです。成績評価を10点満点評価に変え、学科で6点以下だと卒業試験を受けられない、進級できない!というのもあります・・・・
中でも一番問題になっているのは、現在3人程度で分担している小学校の教科担任制を一クラス一担任制に戻す(30年ぐらい前の制度)という第4条です。
一クラス一担任、授業時間数24時間と、確かに書いてあります。現在の小学校は週30時間から42時間まで3段階ぐらいの時間帯がありますが、24時間になると、必然的に午前中授業のみに統一されます。
働く親にとっては大問題。教育相は「教育内容のレベルアップを図るため。」と述べていますが、反対派は、臨時契約の教員をリストラして経費削減するため全体の時間数を減らす、という解釈をしました。
暫定法の最後の条項は、この改革を実施するために、新たな出費や現行予算増など国の財政に更なる負担をかけてはならない、と結んでありました。
この記述でやはり経費削減のための改革かな、という思いがします。
私が新聞などから得た大まかな知識だと、2009年度の予算編成で、経済・財務相は各省庁の基本支出を30%削減するよう要求したということになっています。
予備の支出を控えるのではなく、今年まで使っていた額を来年から30%減らせということです。
無駄な出費を減らすのなら、どんどんやっていただきたいですが、教育の人件費や公立学校への援助額を減らすと言う改革は、本当に教育内容のレベルアップになるのか、疑問です。
この改革の影響で形が見えるのは、今のところ教師のスト連発と言う結果のみ。現場の教師も来年度の一年生から(現在かよっている生徒は現行制度のまま卒業)実際にどう変わるか予測がつかないため、親の側も不安を隠せない状態です。

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