イタリア言の葉

2年半ぶりに再開しました。イタリア生活22年のフリー通訳・翻訳者が北東の町パドバより発信する「社会派」ブログ

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冬は日が差さない村に太陽をもたらす、市長の発明

このエピソードは前回紹介した夕方のラジオ番組で知ったもので、2006年に紹介されたわけで、もう2年近く前の話なのですが、今まで聞いた中で一番独創的な話で、強く印象に残っています。

私一人が興味を引かれたわけではなく、既にこのエピソードは世界中の関心を呼び、当時日本のメディアも取材をして日本に紹介したものですので、記憶に残っている方もあるかもしれません。

今回トピにするために、村のホームページや当時の新聞記事を参考にしました。そのため、日本で報道されたものとは少し内容が違うかもしれません。

さて日本人の頭の中には、イタリアと聞くと太陽がサンサンと輝く国、というイメージが根強いようです。実際には日本と同じく南北に細長く伸びた地形のイタリアは、アルプスの山村から、晴れた日には北アフリカが望めるシチリア島最南部まで、様々な気候に分かれた国なのです。

一年中太陽を拝むためにはローマ以南、いやナポリのあるカンパーニャ州ぐらいまで南下しないと厳しいかもしれません。北・中部イタリアの冬は長く、霧に閉ざされるか、来る日も来る日も灰色の空が続く陰鬱な季節です。

中でもピエモンテ州のスイス国境に近い山腹の村ヴィガネッラ(Viganella)は、村の南にそびえる山脈の影となり、11月から2月上旬まで全く日が差さないのだそうです。

村の人が「イタリアのシベリア」と自嘲気味に呼ぶこの村は、そんな悪条件もあって過疎が進み、住民はお年寄りが大半の204人という寂しい村なのです。

冬場に日照時間が極端に少ない地域には俗に「冬季うつ症」と呼ばれる、季節性感情障害の患者が多いといいますが、お年寄りが多い住民の士気や健康を心配した村長が、実に独創的な解決策を考え出しました。

標高1050メートルの山腹に幅8メートル、高さ5メートルの平面鏡を据え付け、そこに反射する日光で村の中心部、住民が集う広場や散歩道の一部を、午前9時から午後3時までの一日6時間照らそうというものです。

これが村のホームページからお借りしたイメージ画です。

平面鏡は鉄筋コンクリートの土台から伸びるメタル製のフォーク支柱がつき、モーター稼動で太陽の軌道にあわせて向きを変え、同じ地点を照らす仕組みになっています。日照地点の中心部約160平米では実際の太陽光の80%近くの光量があるそうです。

この独創的な発想は村長のオリジナルではなく、リグリア州とピエモンテ州境を結ぶトンネル出口を照らす目的で既に実用化されており、ジェノバ大学教授が特許取得し、REV Soledoppio Houseという会社が製造販売しているものにヒントを得たそうです。(この村に設置された鏡の特許権は村と開発したエンジニアに帰属します。)



各国のメディアの取材が元で近隣諸国にまで知れ渡り、援助申し込みやアドヴァイスが多く集まったおかげもあって、2006年12月17日にはめでたく鏡が設置されました。村のホームページには鏡が設置される直前・直後の写真が紹介されています。(クリックして開くページの最下部)

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