イタリア言の葉

2年半ぶりに再開しました。イタリア生活22年のフリー通訳・翻訳者が北東の町パドバより発信する「社会派」ブログ

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カラブリアの犯罪組織

このところバカンスの軽いトピばかり書いてきましたが、カラブリアという土地は美しい海に恵まれ、素朴な人が住むのどかな田舎などではなく、解決の道が見えない深刻な問題に、長年苦しんできた土地なのです。

このことを書こうと思ったのは、カラブリアといえば犯罪組織の問題はどうしても避けて通れないうえに、7月10日にカラブリア州と(ナポリのある)カンパーニャ州で、犯罪組織に対する大規模な取締りが行われ、60人もの逮捕者が出たからです。

イタリアの犯罪組織というと、映画「ゴッドファーザー」のおかげで「マフィア(Mafia)」がすぐ頭に浮かびますが、マフィアというのはシチリア島を拠点に活動する犯罪組織の呼び名。同じイタリアでも、ナポリを拠点とする組織はカモッラ(Camorra)と名前が変わります。

全く自慢になりませんが、カラブリアも犯罪組織で有名な土地柄です。カラブリアの犯罪集団はンドランゲタ('Ndrangheta)といいます。

ンドランゲタは伝統的に「プロの誘拐犯」として有名でした。金持ちの子どもを誘拐してきて身代金を要求するわけです。カラブリア州には人のすまない土地が延々と広がっていますから、誘拐してきた子どもを何年でも隠しておけます。

カラブリアで事業をはじめると、まずまちがいなくンドランゲタから上納金の要求を受けます。要求に応じないと、事業所が火事になり、それでも要求に応じないと、今度は爆弾を仕掛けられます。

カラブリ州では、経済活動の全てのレベルでンドランゲタが浸透しているといわれます。その際たるものが「公共事業」です。

以前書いた「メッシーナ海峡大橋」の計画が持ち上がったとき、反対理由の一つに、「シチリアとカラブリアの犯罪集団に上手い汁を吸わせるだけだ。」というのがありました。

イタリア史上最高額の大事業でしたから、犯罪組織が手をこまねいていたはずはありません。浸透を防ぐ専門機関を設けて下請け業者まで厳しく監理する、というふれこみでした。

さて今回、60人の逮捕者は、麻薬の売買や高利貸し、違法移民の流入など犯罪組織特有の各種犯罪が大部分。波紋を呼んだのは高速道路サレルノ〜レッジョカラブリア(Salerno〜Reggio Calabria)補修工事用の違法入札に関する逮捕者が15人でて、イタリア最大手の建設会社の関係者までが取調べを受けたこと。

入札に勝って発注を受けたゼネコンは、もちろん犯罪集団とは関係のない会社なのですが、実際の資材や工員の手配は、下請け発注で、ンドランゲタ系会社を通じて行われていたということです。



高速道路サレルノ〜レッジョカラブリアは、高速道路と呼ぶのが恥ずかしいぐらい、ひどい道路です。工事中の区間が多く(夏の交通量の多いこの時期で14箇所)片道一車線通行が延々と続きます。路面もガタガタでとてもスピードは出せません。イタリアの高速道路では例外的に無料ですが、これで有料だったら料金所が焼き討ちにあうだろう、という代物です。

高速道路サレルノ〜レッジョカラブリアは、北・中部イタリアと南イタリアを連絡する基幹道路ですから、イタリア政府も欧州連合も完成に心血を注ぎ、毎年巨額の予算が投入されています。

ベルルスコーニ政権時のインフラ相は「2009年までに全線完成」と宣言していましたが、その後政権担当が左翼連合に替わりましたし、こんなことがあって、遅れることは間違いありません。違法な入札は白紙に戻して最初からやり直しになるからです。

今年の夏始めてカラブリアを訪れたパドバ人の友人も、サレルノ〜レッジョカラブリアの惨状に恐れをなしていました。

「海はきれいだし、人も温かくてすごく良いところだけれど、遠い上に道路がこうひどくては、また来ようという気にはなれない。」というのが彼らの感想。


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Novita (最新情報) | permalink | comments(0) | trackbacks(1)

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- | - | 2009/06/29 5:02 PM