イタリア言の葉

2年半ぶりに再開しました。イタリア生活22年のフリー通訳・翻訳者が北東の町パドバより発信する「社会派」ブログ

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ミラノの中国人問題で連想したこと

もう一週間以上前のことですが、4月13日いつものように朝ごはんを食べながらラジオを聞いていたら「前日ミラノのチャイナタウンで起きた蜂起(Rivolta nel Chinatowan di Milano)」のニュースが耳に飛び込んできて眠気が吹き飛びました。

ミラノにそれほど多くの中国人が集まって住む地区(Via Paolo Sarpi)があることさえ知らなかったので(蜂起などと大げさな表現を使って)というのがその時の私の正直な感想でした。

その後今日に至るまでテレビや新聞がミラノの中国人居住区問題に触れぬ日はなく、毎日目を通す新聞でも連日記事が載るなど、いやでもこの問題に興味が出てきました。

最初の頃過剰で偏向した報道と感じたのにはワケがあります。

去年の夏私の住むパドバ市で移民に関する問題が大きくクローズアップされる出来事があり、当時夏のバカンスでカラブリアにいた私達は、周り中からその問題について質問攻めになったからです。

去年の夏パドバ市長は、売春やドラッグの売買をするアフリカからの違法滞在者が集中して住み、移民グループ同士の対立(ナイジェリア系とモロッコ系だったと思う)で発砲沙汰が起きたりと、10年来大きな問題だった「 Via Anelli地区」の解決策として、非常に思い切った決断をしました。

違法滞在者が住むアパート郡とその他の一般市民のアパート郡の間に行き来ができないよう巨大な壁を建設したのです。これがパドバの「壁」として大きな議論を呼び、賛成・反対で非常に活発な議論が交わされました。

当時私たちがバカンスしていたカラブリアは、アフリカから難民ボートに乗ってまずたどり着く地ではあっても、現地人でも失業者が多いイタリア有数の貧しい土地柄、留まる移民は少なく、現地人に脅威を感じさせるほどの移民は住まないところです。

大部分がカトリックのイタリア人は、(わが身に火の粉が降りかかれば別ですが)抽象的な議論としてなら「人種差別はいけないことで、貧しい人は助けなければならない。」という意見を持つと思います。(もちろん助けられる側が助ける側を超える勢力や経済力に成長しないことが大原則ですが。)

その感覚で見たから、パドバ市長の決断した「壁」建設は、なんとなく批判するべきことのような気がしたのでしょう。実にいろいろな人に意見を求められました。

そのとき私は、多くの報道が一つの現象を現実以上にクローズアップしてみせることを痛感しました。私達はパドバ市に住んでいますが、この「壁問題」は一つの限られた地区の、言ってみれば極端な現象でした。

実際には多くのパドバ市民はこの地区に一度も足を踏み入れたことがなく、老人介護や住み込みの家政婦・清掃業などで働く合法的に滞在する移民と特に軋轢もなく共存しているからです。

とはいえ、もし我が家の周りにドラッグを売る・売春をするなど、小さい子どもを持つ親としては絶対に避けたい人間が大挙して住むようになったら、私も「市長は市民の安全を守れ!」と要求するでしょう。

信条としては「差別反対、社会の弱者を助けよう。」ですが、自分の生活領域が侵されたときどう行動するか、難しいところです。

ミラノの中国人問題にもどりますが、Via Sarpi地区に住む合法的な中国系住民は400世帯、そのほとんどが自営業で一国一城の主だそうです。

問題は家族を呼び寄せたり、親戚を頼ってここ数年ミラノに移り住む中国人の数がイタリア人に脅威を感じさせるほど増えたこと。中でもVia Sarpi 地区はそれまであった商店やピッツェリアが軒並み中国商品を売る店、中華レストランに変わっているそうです。

経済的にもイタリア人に脅威を感じさせる存在になったわけです。おまけに食品と服飾や靴製造というイタリアの産業と共通の土俵で勝負に出たわけですから、どちらにしても軋轢は避けられなかったと思います。

ミラノの中国人問題を伝えるテレビの報道を見ていて私が強く疑問に思ったこと。コメントをする中国人が(ミラノ領事以外)全員たどたどしいイタリア語をしゃべっていたのは何故なのか。

第二世代はイタリアの学校に行っているはずなのに、なぜきちんとしたイタリア語で主張できる中国人のコメントがないのか。コメントする人を意図的に選んでいたのでなければ、ここにも問題の根があると思いました。

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この記事に対するコメント

とても魅力的な記事でした!!
また遊びに来ます!!
ありがとうございます。。
株式投資の資金 | 2012/06/08 5:55 PM
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- | - | 2007/04/26 5:04 AM