イタリア言の葉

2年半ぶりに再開しました。イタリア生活22年のフリー通訳・翻訳者が北東の町パドバより発信する「社会派」ブログ

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ライフ・イズ・ビューティフル

ご無沙汰しました。忙しかったり体調が悪かったりのもろもろに加えて、シーズン最繁期を迎えたフィギュアスケートにどっぷりつかっていて、こちらの更新ができませんでした。あちらが落ち着きましたので、これからまたボチボチ更新します。

今朝息子を集団登校の集合場所へ送って行く途中、学校で「強制収容所」に関する映画を見ると聞いて、正直びっくりしました。「強制収容所」の映画って小学生に見せるにはかなり刺激が強いのではないかと思ったからです。

よく聞いてみると、ショアー記念日(Ggiorno della memoria della Shoah)にちなみ、息子たち3・4年生が体育に使う大教室で見る映画というのは「ライフ・イズ・ビューティフル」なのでした。それを聞いた時「その手があったか」と新鮮な発見をした思いでした。アカデミー賞主演男優賞など数々の受賞作ではありますが、私はこの映画がそれほど好きではないのです。

ロベルト・ベニーニのこの作品、本国イタリアでも、もちろん評価が高いです。実際には私が見た公開直後は評判になってはいましたが、大ブレイクしたのはアカデミー賞を受賞した後で、普段映画を見ない層にまで広がったからだと思いますが。

ブレイク後に見た知人・友人はそろって「素晴らしい映画だ。」「近年になく感動した。」と興奮の色を隠せず感想を語り合っていました。

「その映画公開直後の1年以上前に見たけれど、私は『強制収容所』を題材にした映画としては好きではない。」というと相手に信じられないという顔をされ「言葉が理解できなかったんじゃないの。」といわれたものです。

こちらこそ「あなたたちどれだけの映画を見ているんだ。」といいたい思いでしたが・・・・

「強制収容所」を題材にした映画は数々ありますが私の頭にすぐ浮かぶのは「ソフィーの選択」そして「シンドラーのリスト」です。ベニーニの映画はこれらの映画ほど見るのに覚悟がいらない上、ラストシーンは確かに感動的なのですが、明るく作っている分切込みが甘く、扱っている題材の深刻さを的確に伝えていない気がしてなりません。

ただし子供に見せるなら、私の思う弱点が長所になるのではないでしょうか。小学生の子供でも充分理解できる内容ですし、興味を引けると思います。その上で「かつて私たちの国にこんな悲しいことがあったのです。」と話をすれば「ショアー記念日」の試みとしては完璧です。これが「その手(用途)があったか。」と思った理由です。

帰ってきた息子に映画の感想を聞きましたら、いつものように「うん、おもしろかった。」と至極簡単にかわされましたが。 

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社会問題を笑い飛ばす

私が良く見るTV番組にCrozza Italiaがあります。放送局はLa 7、ベルルスコーニ首相のファミリーが所有しない全国ネットの民放はここだけと認識しています。この番組の定義はむずかしいのですが、あえて「社会派お笑いバラエティー」と呼ぶことにします。

テーマごとにゲストを呼んでディスカッションする真面目な社会派番組(Programma di Approfondimento)や、鋭い視点で社会の暗部に切り込む良心的な報道番組も存在し、それぞれ見ごたえがあるのですが、Crozza Italiaは「政治不信」「犯罪組織」「社会の不公正」といったイタリアが直面する問題をコントで徹底的に笑い飛ばそうと言うつくりです。

最近は大きな社会問題となった「教育改革」も毎度コントになっています。司会兼主演のMaurizio Crozzaが実に巧み、共演者も熱演で毎度涙が出るほど笑わせてくれます。

映像で紹介したいのですが、イタリア語が充分に理解でき、背景事情に通じていないと全く面白くないはずなので「ブッシュ大統領の最終演説」という一番分かりやすいビデオを選びました。これはあまり面白くない方で私はちっとも笑えませんが、「笑いの質」は分かっていただけると思います。

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SatiraとかIroniaとか呼ばれる手法で、使われている語彙はかなりアグレッシブな差別用語も飛び出します。要はブッシュ大統領をコケにしているわけです。

この調子で教皇、首相、与野党の政治家、各国の要人など権力者をかたっぱしから笑い飛ばします。日本にはこの種の番組はあまりないと記憶していますが、今は違うのでしょうか。

イタリアの社会は今問題山積みで、明るいニュースは中々ありません。短期間に生活はどんどん苦しくなり、先行きの見えない不安が全ての階層にいきわたっています。そしてどれも簡単には解決策が見つからない深刻な問題ばかりです。

そういうご時世こそ、精神衛生のバランスを保つのに笑うことは大切なのではないでしょうか。これが不真面目だとは私には思えません。イタリア人特有の生活の知恵というべきでしょう。


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飲酒運転常習国 イタリア

私が飲酒運転について気になり始めたのは、去年の8月にマキシム・スタビスキーが飲酒運転で死亡事故を引き起こした、と言うニュースを知った時からです。

スタビスキーはロシア出身の才能・実力共に超一流のアイスダンス選手。パートナーのデンコワ選手と共にブルガリア代表として、3月に東京で行われたフィギュアスケート世界選手権で、圧倒的な感動を引き起こす演技を見せて2連勝をなしとげ、成功のただなかにいました。

この事故で23歳の若者が死亡し、19歳の女性が4ヶ月間意識不明の昏睡状態に陥り、2人が負傷する、と4人の被害者を出しました。スタビスキーは「戦車」と形容される頑丈な車を運転していたため、全く負傷がなかったそうです。

事故後の報道で、スタビスキーがブルガリアの飲酒運転撲滅キャンペーンに参加していたことがわかり、すでに充分すぎるほど難しい状況の上に、更に複雑な感情を引き起こしたことと思います。

全てが順調で将来への希望に輝いていたまだ若く才能あふれるスケーターが、この事故を引き起こしたことで、最悪なら懲役10年の刑に処されるかもしれないというどん底の状態に陥りました。スタビスキーは事故直後に「飲酒はしていたが、断じて酔ってはいなかった。飲酒で判断力が劣っていたとは思えない。」とコメントしたと読みました。

被害者にとってはきっと許せない思いがする発言でしょう。飲酒運転が悪いことで、いかに危険かという認識が広くいきわたっている日本でも、反発を持って受け止められる発言だと思います。

危険や罪の意識を持たずに習慣的に飲酒運転をしている国イタリアに住む私には、この発言がどんな心情から出たか、何となく理解できてしまうのです。理解できるからと言って受け入れるわけではないですが、何故こんなことになってしまったのか、という自分でも信じられない思いが言わせた言葉だろうな、と想像がつくのです。

この感覚を分かっていただくために、イタリアでの飲酒運転に関する現状やそれに対する取り組みはどうなっているのかご紹介します。

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